提案理由説明  庄野昌彦


 私は、提出者を代表いたしまして、議題1号について、提案理由を述べさせていただきます。
まず、関東・東北豪雨により、被災された方々に対しまして、心から哀悼の意を表しますと共に、お見舞いを申し上げます。早期、復旧、復興を心から祈念しております。
 さて、今、国会で議論となっています、安全保障関連法案については、今国会での強引な成立ではなく、一度廃案にし、国民と共に、日本の将来図を議論した上で、憲法との整合性、法的安定性の見地から議論をすべきだと考えています。拙速に今国会での成立をはかろうとすることは、国民の声を総合すると、すべきではありません。
 先の、6月定例議会閉会日にも、本法案の問題点を指摘し、今国会での拙速な採択は避けるべきであると討論に参加をいたしました。
 その後、衆議院では、強行的に採決し、現在、参議院で審議をされていますが、この法案に対する国民のアレルギー、不信感、不安感は、日を重ねるにしたがって増幅しています。国会を取り囲むデモ行進、全国各地でも、大きな反対のうねりがわき起こっています。 本県でも、9月12日には藍場浜公園で、大きな反対集会がありました。1200名を超える方々が、参加し、法案反対のアピール行進もされました。
 また、9月3日、アスティー徳島で開催された、徳島新聞社主催の、戦後70年特別シンポジウム「ともに歩む、これからを生きる」を私も聞きに行きましたが、本県出身の作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんと、映画監督の山田洋次さんとの対談では、両氏とも、反戦平和の重要性を訴え、寂聴さんは、6月に国会前で開かれた安全保障関連法案に反対する市民集会に参加したことも、紹介されました。
 9月10日の朝日新聞社説では、8月下旬の世論調査が紹介されており、法案に賛成が30%、反対は51%。今国会で成立させる必要があると思う人は20%、必要はないと思う人は65%でした。多くの学者が違憲法案と指摘し、デモも全国に広がり、国民の合意形成は行われていない。と判断するのが普通だと思います。
 そんな中、自民党の高村正彦副総裁は、講演で、「国民のため必要な法律だ。十分に理解が得られていなくても、決めないといけない」と語ったことが、報道されました。国民無視の、上から目線であり、大きな議席を確保しているおごりだと思います。
 一昨日(15日)の中央公聴会で、小林節(こばやしせつ)・慶応大学名誉教授が行った「憲法を無視するのは独裁政治の始まりだ」と述べました。法の支配と立憲主義がないがしろにされた歴史を踏まえた、警告と受け止めるべきです。
 また、この法案は、法的安定性が欠落しているとよく指摘されます。それは、解釈改憲という、姑息な手段に出たからです。少人数の閣僚だけで閣議決定し、圧倒的な与党の数で法案を通し、実質的な改憲をはかる。国民にとって、大事かつ重い法案、それも歴代内閣が憲法に抵触するということで踏みこまず、元内閣法制局長官でさえ、憲法9条に違反していると指摘する法案を、国民の合意形成という手順を省き、政府与党の閉ざされた合意だけでことを済まそうとしているから、法的安定性に欠けると指摘されているのです。
 国際貢献についても、自衛隊派遣の強化だけが選択肢ではなく、難民支援や感染症対策、紛争調停など多様な課題が山積みであり、9条を生かした、貢献の議論も深めるべきであると考えます。
 違憲と指摘される法案を成立させることは許されないと思います。今、性急に法案を成立させることが、唯一の方法ではないはずです。この法案は廃案にし、出直すべきです。
 昨日の、参議院平和安全法制特別委員会では、国会前での連日の反対集会、横浜市での地方公聴会での国民の声の影響もあったと思いますが、総括質疑は行われず、採決されませんでした。良識の府といわれる、参議院での審議未了、廃案となることを心から願っています。
 以上提案理由を述べさせていただきました。議員各位のご賛同を心からお願いし、説明といたします。