代表質問(2010年11月26日)県議会本会議場  

 

○二十九番(庄野昌彦君) 新風・民主クラブの庄野昌彦でございます。ただいまから会派を代表いたしまして質問してまいります。知事初め、理事者各位におかれましては、簡潔かつ温かい御答弁をお願いしておきます。

 質問に入る前に、先日御逝去された三木申三元知事に哀悼の意を表します。

 それでは、まず初めに職員給与の臨時的削減についてお伺いします。

 知事は、当初から禁じ手と述べられ、本来であれば財政構造改革期間終了後に職員給与は復元することが原則であります。この三年間、財政構造改革基本方針に沿った職員給与の臨時的削減に象徴される聖域なき歳出の見直しにより、県職員や関係機関、そして県民の方々にも痛みを伴う取り組みを進めた結果、六百二十五億円の収支改善が図られました。厳しい中にあっても、将来の明るい展望を見据え、みんなが頑張ってきたからだと思います。このことに対して心から敬意を表する次第であります。

 このような中、去る十一月十七日には職員組合との間で職員給与の臨時的削減措置に関する交渉が行われ、最終的には飯泉知事による若手、中堅職員への配慮という決断を受け、組合も臨時的削減措置の継続はやむを得ないとしてストライキなどの強硬姿勢に出ることなく交渉を終えたと聞いております。

 聞くところによりますと、今回の職員給与の臨時的削減措置に関する交渉では、中堅層職員からは、若手職員は採用も抑制され少ない人数で、以前と比べ負担も責任も大きい中で県行政の最前線で頑張っている、給与カットだけでも解消してやってほしいとの意見が出される一方で、若手職員からは、自分たちも生活は苦しいけれど、今の徳島県の厳しい状況は職員全体で受けとめるべきものであり、自分たちだけ給与カットを受けないわけにはいかない、できる限り軽減はしてほしいがともに負担したいとの決意も示され、給与カット継続という極めて厳しい現実ではあるけれども、組合の交渉団としてはみんなで受けとめようと意見がまとまったと聞いております。このことを聞いて、やはり徳島県の職員は公務員として決して自分だけのためではなく、職員全体で県のため、県民のために心を一つにして頑張らなければならないという強い気持ちを持ってくれているのだと非常に心強く感じたところであります。

 私なりに県の職員に聞いてみますと、この三年間の職員給与の臨時的削減によって日常の生活を切り詰めたり、住宅ローンを見直したりされたようでありますが、特に子育て中の皆さんにとっては教育費の負担が相当大きく、お子さんの進学先で相当悩まれたというお話などもお伺いしました。しかし、職員の皆さん方は、自分自身の生活も非常に厳しい状況の中でも、県民サービスの安定と県財政の健全化に向けて真剣に向き合っていただいていると私自身も肌身で感じてきました。今回、平成二十三年度以降も職員給与の臨時的削減措置が継続されるに当たって、職員組合から、知事を初め幹部職員の方々に対して、持続可能なふるさと徳島への転換を図るとの決意に立った県政のかじ取りを求めたいとの考え方が示されているようでありますが、私もそのとおりだと思います。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 今回、職員給与の臨時的削減措置を継続するに当たって、職員の皆さん方への思いや、職員の先頭に立ち、今後、三年間で県財政の健全化への道筋を確実なものにする決意をお聞かせいただきたいと思います。

 次に、公共サービス基本条例の制定についてお伺いします。

 昨年五月十三日、参議院本会議において、全会一致で公共サービス基本法が制定されました。公共サービス基本法は、国や地方公共団体が公共サービスを委託した場合であっても、委託先との役割分担や責任の所在の明確化、それに従事する者の労働環境の整備に努め、良質な公共サービスの提供を確保することを目的に制定されたものであります。

 小泉政権以降、小さな政府を目指し、民間にできることは民間にゆだねるという基本方針に基づき構造改革が進められ、財政再建やコスト削減を余りにも重視した手法により、公共サービスの質の低下が懸念されてきたことや、官民の責任分担があいまいになってきていること、また公共サービスに従事する労働者の労働条件等が悪化してきていることなどが制定の背景にあると考えております。

 また、この法律は、国民の権利として良質な公共サービスが提供されることや、サービスに対する選択や学習の機会が確保されることなどを目的とした理念法であり、今後は実現に向けての具体的な行動が課題であり、効率性と競争最優先の改革から、信頼される公共サービスの提供に向けたものとして非常に意味の深い法律であります。

 そういう意味では、県において基本条例を制定し、本県の実情に応じた施策を実施していかなければなりません。十一月議会の開会日に良質な公共サービスの確立を求める徳島県連絡協議会から飯泉知事に対して一万九百四十四筆の署名を添えて公共サービス基本条例の制定を求める要請があり、我が会派の議員も同席しました。

 公共サービスは、当たり前に私たちの生活に溶け込んでいるため、日ごろその存在を意識することは少ないですが、上下水道やガス、電気などのライフラインや医療、介護、福祉、教育、公共交通など、自治体やNPO、民間もそのサービスを担っているのであります。公共サービスは生活そのものであり、人間の尊厳を守るためのセーフティーネットであります。公共サービスが県民のニーズにきちんとこたえられているかどうかを点検し、十分に機能する仕組みをつくることが今、求められております。公共サービス基本条例を全国に先駆けて制定し、本県の実情に応じた施策展開をするということは非常に意義のあることだと思います。

 そこで、お伺いします。

 公共サービス基本条例制定に向け、県当局、労働組合、経営者、県民等が入ったプロジェクト会議などを設置し検討を進めるべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。

 次に、六次産業化による農業振興についてをお伺いいたします。

 第一次、第二次、第三次産業を融合した六次産業化による地域活性化を目指そうとする法案、地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律案、これは(仮称)六次化・地産地消法案、これが全会一致で十一月十六日衆議院を通過いたしました。農林漁業者の主体的な取り組みによる農産物の地産地消や消費拡大に向けた加工、販売の促進やバイオマスを含めた農山漁村にある資源の活用促進により、農林漁業の振興につなげ、JAや市町村の遊休施設などの直売所への活用、金融上の支援、さらには六次産業化プランナーという制度創出に向け予算要求を行うとしています。地方としては歓迎される制度だと思います。JAの調べでも、農産物直売所の二○○九年度の売上額が一店舗当たり一億七千七百万円に達し、二○○七年度調査に比べて三割上回り、年間来店者数も一店舗当たり十四万人と、これも三割上回ったと聞いております。これは、消費者の国産農産物への関心の上昇、生産者の顔が見え、安心・安全を感じることが要因だとされています。このため、直売所プラス六次産業化をうまく融合させることは、所得向上、担い手の育成につながります。本県においても、成功事例を紹介し、ノウハウを伝えるプランナーを養成し、各地で六次産業化を目指した取り組みが進むよう汗をかくべきと考えます。

 また、私も関西広域連合(仮称)調査特別委員会におきまして多く議論させていただきましたが、県民の期待は関西広域連合に何を求めるのか、期待するのかという問いに対して、農林水産物販売を含め、第一次産業の振興に大いに期待していることがわかりました。加工品も含めて県産品を戦略的に今まで以上に関西圏に売り込んでいくという視点が大事だと思います。

 そこで、お伺いします。

 農林漁業者が加工、販売、サービス分野などに進出、あるいは地域の商工業者と連携する六次産業化を推進し、産直市などでの実践例を発展させるとともに、関西圏をもターゲットに売り込みを図っていくべきと考えますが、御所見をお伺いします。

 次に、林業の振興についてお伺いします。

 十九日の知事の所信表明でも木材利用指針について説明があり、県産材の消費量を十年後に倍増させるとの意気込みが示されました。大歓迎です。川上対策も重要ですが、今はまさに川下対策が重要な時期であります。さらに、公的施設に県産材を使うことはもちろん重要でありますが、個人住宅への県産材使用をもっと県が率先して誘導すべきだと考えます。

 現在は、景気低迷の影響で、サラリーマンや個人事業主の方々は先の見通しが立たず、住宅の着工件数は低迷が続いております。こうした中、思い切った個人住宅への支援を行うことは、林業のみならず、中小の工務店や大工の方々、建材の納入業者など、大きな経済への波及効果があり、反対する人はだれもいないのではないかと私は考えております。過去には、地域優良木造住宅への利子補給制度もありました。木材を直接支給する制度もあったと思いますが、改めて林業飛躍基金などを活用した思い切った支援策が必要ではないでしょうか。

 そこで、お伺いします。

 県産材の利用拡大に向け、個人住宅に対する県からの直接支援を進めるべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。

 次に、ニホンジカの食害対策についてお伺いします。

 環境省レッドリストによりますと、日本でここ数百年の間に絶滅した生物種のうち哺乳類は四種類であります。そのうちオオカミは二種、ニホンオオカミとエゾオオカミであります。ニホンオオカミは、農作物を荒らすシカやイノシシの天敵として森の中で生存し、農耕を営む住民からは畏敬の念を持たれてきました。しかし、生息地を奪われてきたことなどが原因となり、一九○五年の確認を最後に絶滅したと言われております。天敵を絶滅させ、森林を人工林で砂漠化させてきたツケが今のシカやイノシシの被害なのだと思います。しかし、だからといって、天敵の導入は不可能ですから、オオカミのかわりを人がやらなければなりません。すなわち、個体管理対策としての処分であります。本来、共存するべき野生動物を捕獲、処分するということは、行政としては大変つらい作業です。ただ、被害の状況が余りにもひどいとの訴えがあるため、問題提起の意味も含めて質問をする次第であります。

 高知県では、平成二十年度からニホンジカの生息数を減らすシカ個体数調整事業に取り組んでおり、狩猟期におけるシカ捕獲対策の捕獲報償金制度を創設し、ニホンジカを捕獲した狩猟者に対して八千円が支払われています。本県でも狩猟期以外の報奨金については市町村が実施主体となり取り組んでいますが、捕獲促進をしようとすれば、高知県の取り組みも視野に入れてもよい時期に差しかかっているのではないかと思います。

 高知県の鳥獣被害対策事業では、一、シカ被害特別対策事業、二、鳥獣被害対策担い手育成事業、三、鳥獣被害緊急対策事業として今年度一億三千六百五十六万三千円をかけております。シカ捕獲数は昨年度一万一千三百六十一頭となっており、シカ肉、シカ肉加工品も販売しているとのことです。なお、高知県とは、本県は生息数並びに捕獲目標数が違うため単純には比較はできませんが、昨年度の本県の捕獲数は三千五百五十七頭となっております。本県でも補正予算を組み、狩猟期以外の一斉捕獲の取り組みもされておりますが、今後の被害のことを考えると、さらなる取り組みも必要となると思います。

 そこで、お伺いします。

 本県でのシカ駆除対策をさらに踏み込んで取り組むに当たり、報奨金制度の導入や肉加工及び販売を進めるべきと考えますが、御所見をお伺いします。

 それぞれ御答弁をいただいて、質問を続けてまいります。

   

   (飯泉知事登壇)

○知事(飯泉嘉門君) まず、職員給与の臨時的削減措置を継続するに当たり、職員への思いや県財政の健全化への道筋を確実なものにする決意について御質問をいただいております。

 禁じ手であります職員給与の臨時的削減につきましては、厳しい財政状況下、県民サービスの著しい低下を防ぎつつ財政の健全化を図るため、平成二十年一月から実施をしており、財政構造改革期間が終了する平成二十三年度にはできる限り復元できるよう改革の着実な推進に全力を傾注してまいったところであります。

 この結果、財政調整基金の取り崩し額は改革期間中においては減少を続け、基金への依存度は大幅に縮小するとともに、県債の元利償還である公債費につきましても平成二十年度をピークに減少へと転じ、計画を一年前倒しで達成をするなど、持続可能な財政構造の実現に向け一定の道筋を見出すことができたところであります。

 しかしながら、こうした努力にかかわらず、百年に一度の経済危機による県税収入の大幅な落ち込みや、医療や福祉などの扶助費の急増により、依然として厳しい財政運営が続いているところであります。

 一方、県職員にあっては、臨時的給与削減により給与水準を示すラスパイレス指数が全国最低水準となるとともに、一般行政部門職員三千人体制に向けました急激な人員のスリム化などによる厳しい勤務環境に耐えながら、県民サービスの向上に日夜奮闘をしていただいているところであります。

 このような改革の取り組みの成果や職員の頑張りを踏まえ、熟慮に熟慮を重ねてまいりましたが、県民サービスの一定水準での維持と持続可能な財政構造の実現という二律背反する課題を両立していくためには、平成二十三年度以降においても職員給与の臨時的削減措置を一部緩和した上で継続せざるを得ないと、まさに断腸の思いで決断をいたしたところであります。関係団体の皆様には最大限の御理解を賜り、心から感謝を申し上げる次第であります。

 今後は、財政健全化の取り組みをより一層加速するため、創意工夫による歳入確保の取り組み、県内経済や県民生活に与える効果に配慮した施策の重点化や財政負担の平準化、県債の新規発行の抑制や全国型市場公募債を活用した発行利率の軽減による公債費の縮減などについて、あらゆる角度から検討を進め、今後、三年間で県財政の健全化への道筋を確かなものとすることができるよう、まずは来春の知事選で県民の皆様方の御負託を賜り、しっかりと取り組んでまいる所存であります。

 次に、県産材の利用拡大に向けた個人住宅の支援について御質問をいただいております。

 県内におきましては、県産材の約八割が民間部門で消費をされ、そのうちの四分の三を個人住宅が占めていることから、県産材の利用拡大にはとりわけ住宅部門での利用が重要であると、このように認識をいたしております。

 そこで、このほど素案を取りまとめましたとくしま木材利用指針におきましても、公共分野はもとより、個人住宅を含む民間分野でも、今後、十年間でその県産材の消費量を倍増させるとの方針を盛り込んだところであります。

 現在、県におきましては住宅分野での木材利用を進めるため、県産材を使用した新築、リフォームに対する低利融資や木造住宅の耐震改修に要する経費の支援、徳島すぎの家づくり協力店が建築をいたします優良な住宅に対する部材の提供など、積極的に推進をいたしているところであります。

 また、国が新成長戦略で掲げた木材自給率五○%達成のためには、国を挙げた消費拡大の取り組みが必要であるとの観点から、本年五月、さらには九月に実施をいたしました徳島発の政策提言におきまして、木造住宅に対する支援策の創設を強く国に対して訴えかけてきたところであります。

 この結果、国の円高・デフレ対応のための第二弾の経済対策に本県からの提言が反映をされ、林業飛躍基金事業のメニューとして個人住宅における木材利用にまで踏み込んだ支援策が新たに盛り込まれ、現在、本県への重点配分に対し強く要望を繰り返しているところであります。

 今後、これまでの施策とあわせ、今回の新たな支援策を効果的に活用することで、とくしま木材利用指針が目指す県産材の消費倍増に向け、積極的に取り組んでまいる所存であります。

  

   (里見副知事登壇)

○副知事(里見光一郎君) 公共サービス基本条例制定に向けプロジェクト会議などを設置し検討を進めてはどうかとの御質問でございます。

 今後、ますます高度化、多様化する行政課題や住民ニーズに的確に対応するためには、行政はもとより、関係団体、NPO、民間企業、住民などの多様な担い手と協働して、よりよい公共サービスを提供していくことが重要であると認識いたしております。

 こうした中、国におきましては、昨年五月に公共サービス基本法を制定し、国民が安心して暮らすことができる社会の実現を目指すこととしており、さらに本年十月には「新しい公共」推進会議を立ち上げ、行政のみならず、さまざまな担い手が公共的な財源やサービスの提供主体となり、共助の精神で活動する新しい公共の推進に係る議論が始まったところであります。

 一方、本県におきましては、国の新しい公共の取り組みに先んじ、県民の皆様にも主体的かつ積極的な県行政への参加をお願いし、民間資金をも活用する二十一世紀型の行政手法であるとくしま“トクトク”事業を県政運営手法の大きな柱として積極的に取り組んでいるところであります。

 例えば、今年度におきましては、新町川河畔の公共空間に全国初の協賛型のネーミングライツを導入し、憩いの場として整備したり、ボランティア団体や建設業者が公共施設の除草、運搬などを行い、県がこれを支援する官民協働型維持管理システムの実証など、新たな県民サービスの向上に創意工夫を凝らしているところであります。

 さらには、対策が急務であり、また実施主体の意欲も高く、直ちに効果があらわれる可能性の高い事業に民間活力を導入する実証実験やモデル事業についても重点的に取り組み、県民の皆さんとともにさまざまな行政課題の解決に全力を傾注しているところであります。

 今後とも、こうした取り組みを積極的に進めていくとともに、議員御提案の公共サービス基本条例に向けたプロジェクト会議などの設置につきましては、国における理念法である公共サービス基本法に続く、より具現化する個別法の制定に向けての検討状況や、新しい公共の推進状況など、国や他県の動向などを注視しながら適切に対応してまいりたいと考えております。

  

   (森農林水産部長登壇)

○農林水産部長(森 浩一君) 二点御質問いただいております。

 まず、農林漁業の六次産業化を推進し、産直市での実践事例を発展させ関西圏にも売り込むべきとの御質問でございますが、いわゆる六次産業化を図ることは、農林水産業の成長産業化に向けた大切な取り組みであると考えております。

 本県におきましては、これまでの具体的成果として、米粉パン、ハモなべセット、ユズドレッシングなどの新商品の開発のほか、産直市でのトウガラシ調味料みまからやトマト加工品などの特産品づくりの動きも生まれているところであります。

 こうした動きをさらに加速させていくためには、みずから新たなビジネスに挑戦していく経営マネジメントにすぐれた人材と、コーディネート役として加工、流通、販売といった幅広い分野で情報提供や助言ができる人材の育成確保が重要であり、生産からマーケティングまでサポートする農林水産総合技術支援センターの機能の強化、徳島大学との農工連携協定による農業、工業に精通した人材育成などに取り組んでいくことといたしております。

 また、議員御提案の産直市の活動と六次産業化を融合させることは所得向上につながる重要な取り組みであり、集客エリアの拡大と経営の多角化を図るため、関西広域連合の発足を踏まえ、消費者に直接アピールする出張産直市の開催や地域特産品のブランド協力店でのPR販売などにより、産直市が関西圏の地産地消の拠点となるよう取り組んでまいりたいと考えております。

 これら六次産業化の取り組みは、これまで生産者の皆様方の努力により培われた新鮮、安全・安心、高品質という高い評価の上に新たな価値を創造するものであり、次期とくしまブランド戦略にしっかりと位置づけ、関西圏を初め、海外市場をもターゲットとした戦略的な事業展開を図ることとし、もうかる農林水産業の実現に向け、積極的に取り組んでまいります。

 次に、シカの駆除に対する報奨金制度の導入や肉加工及び販売についての御質問をいただいております。

 ニホンジカによる被害を軽減するためには、捕獲や防護、環境整備などを総合的に組み合わせて実施することが大切であり、現在、県と市町村や地域の皆様が連携を図りながら対策を講じているところであります。

 このため、県におきましては、捕獲対策として狩猟者に日当を交付しニホンジカを広域的に駆除する一斉捕獲や、新しく開発されたシカ簡易捕獲おりの導入などを実施しております。また、生態や防護技術の研修会の開催や新技術の普及啓発などを行っているところであります。

 一方、市町村におきましては、ニホンジカの駆除を進める報奨金制度を実施するとともに、鳥獣被害の調査や集落に対する防護さくの設置支援などを行っております。

 今後ともさまざまな駆除対策を県と市町村が役割分担を図りながら積極的に取り組んでまいります。

 次に、食肉利用や販売につきましては、狩猟者の捕獲意欲を高め、被害軽減につながりますことや、地域活性化の観点から、シカ肉を有効利用するための処理施設の整備に対しても支援をしております。また、先月には那賀町におきまして狩猟者や市町村の関係者等を招き、シカ肉の試食会や流通に関する講演会を開催するとともに、年明けには旅館やホテルのシェフを対象としてシカ肉のPRを実施することといたしております。

 今後、一層市町村や地域の皆様と連携を密にしながら、ニホンジカに対する対策を強化し、被害防止に努めてまいりたいと、このように考えております。

  

   (庄野議員登壇)

○二十九番(庄野昌彦君) それぞれ御答弁をいただきました。

 まず、職員給与の臨時的削減についてでありますが、禁じ手である給与カットについては、本来、約束の三年間でもとに戻すのが大原則であります。しかし、未曾有の経済危機による県税収入の減少など大きな不安要素があるため、給与をもとの水準に戻せない、このような提起を受け、労働組合も自分たちのことだけでなく県の将来のことを真剣に考え、提案を受けとめ、最終合意に至ったものと思います。この思いを知事はしっかりと受けとめていただき、今後、三年間、しっかりとした県財政の健全化を求めておきます。

 次の公共サービス基本条例制定に向けてのプロジェクト会議の設置でございますけれども、公共サービス基本法が制定されたということは画期的であり、その理念をどのように地域で実践として活用していくかが重要となってきます。本県では、答弁にあったように、新しい公共の取り組みを先取りしたとくしま“トクトク”事業を実施していることは評価をしています。この取り組みをさらに進化させるためにも、県民の意見を聞きつつ公共サービス基本条例を制定し、県民が求める良質な公共サービスを具現化していく必要があると思います。答弁では、プロジェクト会議の設置については国、他県の動向を注視し、適切に対応するということでした。適切にできる限り早期にプロジェクト会議が設置されるよう求めておきます。

 また、農林漁業者による六次産業化についてであります。答弁では、次期とくしまブランド戦略にしっかりと位置づけて関西圏を初め海外市場をもターゲットにした戦略的な事業展開を図り、もうかる農林水産業を実現するという力強い答弁をいただきました。加工して売るという発想が大事であり、またその上に無農薬や減農薬といった安全や環境という価値を組み込むことは大変重要であります。今、消費者は安全ということを求めていると思います。今後とも力強く頑張っていただきたいと思います。

 また、県産材の利用拡大に向けての個人住宅への支援ということについては、いい答弁をいただきました。住宅が建つということは、経済の活性化に大きな影響を与えます。工務店、労働者の仕事確保にも及ぶすそ野の広い産業です。このたび林業飛躍基金事業のメニューとして個人住宅における木材利用にまで踏み込んだ支援策が示されたということはうれしい限りであります。今後、県としても早期に新たな具体的支援の形が示されますようにお願いをいたしておきます。

 次のシカの駆除対策についてでありますが、剣山周辺における植生に影響を及ぼすほどの被害や農作物の被害が深刻なため、さらなる取り組みを進めてもらいたいとの要望を受け、質問をいたしました。県の取り組みも一斉捕獲など前向きにやっていただいており、一定の評価をしておりますが、シカの個体数管理はどうしても人間がやらざるを得ない以上、被害の状況を見ながらさらなる捕獲策を考え、加工、販売につなげていっていただきたいと思います。

 それでは、質問を続けてまいります。

 中小企業者への金融支援についてお伺いします。

 最近の経済状況は、一昨年のリーマンショックに始まる世界同時不況からの回復を目指しつつも、その後続くデフレにより経済の停滞感が続く中、ことしに入ってからはギリシャ財政危機に端を発する欧州金融危機、さらにはその後の円高の進行、また最近では新たにアイルランドの債務をめぐる不安定なユーロ圏の状況が続いており、本県の中小企業を取り巻く環境はますます厳しい環境になりつつあります。

 本県では中小企業が圧倒的多数を占めており、ここが元気でないと雇用の確保や就職氷河期と言われた二○○三年よりも厳しいと言われている現在の就職率の向上は望めないことから、あらゆる支援策を考え、中小企業の活性化に結びつけていかなければなりません。

 国においては、中小企業の資金繰りの円滑化を図るため、一昨年十月三十一日から緊急保証制度の運用を開始し、県内においてもこれまでに九千九百九十八件、一千三百四十五億円の利用があったとのことであります。この制度によって低金利、低保証料の運転資金の借り入れが可能になったことから、多くの中小企業が助かったと聞いております。

 また、昨年の十二月からは中小企業金融円滑化法が施行され、金融機関から返済猶予の申し込みを行った中小企業は、昨年の十二月からことしの九月末までで、県内の阿波銀行では七千五百一件、千六百八十一億円、徳島銀行においては千九百七十一件、九百三十六億円と発表されております。

 そこで、お伺いします。

 これらの施策は本年度末をもって適用期限が切れることになっており、政府においてその延長等も検討されているようでありますが、これらの施策によって本県の地域経済や雇用がしっかりと守られているものと考えますが、御所見をお伺いします。

 さらに、依然として厳しい経済情勢にあって、県として地域経済の活性化や雇用の確保といった重要な位置づけを持つ中小企業に対する資金繰り対策をどう考えているのか、あわせてお伺いをいたします。

 次に、家畜伝染病の発生に備えた防疫体制の充実強化についてお伺いします。

 本年四月、宮崎県で発生した牛、豚の伝染病である口蹄疫は、畜産業のみならず、地域経済や県民生活にまで影響を及ぼし、家畜伝染病としてはこれまで経験したことのない甚大な被害をもたらしたところであります。

 本県では、いち早く畜舎や交通拠点において消毒を関係機関の協力のもとで実施し、侵入防止が図られました。さらに、県職員獣医師を中心とした徳島県緊急家畜防疫支援獣医師団「Vサポート徳島」を全国に先駆け設置の上、宮崎県に派遣し、発生農家での処分やワクチン接種など、宮崎県での口蹄疫終息に向け尽力され、農林水産大臣から「Vサポート徳島」に対して感謝状をいただきました。全国的に見ても大きな評価となっております。本当にお疲れさまでした。現地での生きた防疫作業は必ず本県における今後の防疫対策に大きく生かされるものと確信をしております。

 獣医師である私も、過去の経験を思い出しながら、「Vサポート徳島」の団員として現地で防疫活動に従事いたしました。川南町の養豚一貫経営農家では症状がひどく、早く豚を楽にさせてあげたいとの思いで畜主も出てきてくださり、一緒に処分を手伝ってくださいました。その農家では、今までありがとう、つらいけど病気が入ってしまったから仕方ないね、天国に行ってくださいと書き記した紙がえさ箱に張ってあるなど、今でも農家の方の思いや現場での対応を思い出すと心が痛み悲しくなります。このようなことが国内で二度と発生してはならない、発生させてはならないと強く感じた次第であります。

 今回の口蹄疫の大規模発生を教訓として、国が策定した口蹄疫防疫措置実施マニュアルでは、迅速な初動防疫を的確に実施するため、口蹄疫を疑う事例の発見、通報から二時間以内で農家に到着し、加えて口蹄疫検査のための組織片の採取や撮影、診断といった防疫に関する体制整備と診療システムが必要となり、家畜保健衛生所等の獣医師の果たす役割と責任はますます大きくなってきております。

 その一方で、獣医師は全国的に自治体勤務を希望する者が減少しており、本県でも獣医師の確保が十分でない状況が続いていると聞いております。もし徳島県で口蹄疫が発生したらすぐに被害を抑え込むことができるのかと不安を抱いているところであり、家畜保健衛生所の施設の老朽化も心配するところであります。

 さらに、渡り鳥の飛来する季節となり、十月末には北海道稚内市で野生のカモのふん便から高病原性鳥インフルエンザウイルスが分離され、本病についてもいつどこで発生してもおかしくない状況であると危惧しております。

 そこで、お伺いします。

 今回の宮崎県の口蹄疫発生を教訓として、県では今後、家畜伝染病防疫対策についてどのように充実強化させていくのか、御所見をお伺いいたします。

 次に、学校獣医師制度についてお伺いをいたします。

 本県では、現在、幼稚園の九○%、小学校の九三・六%で鶏やウサギなど魚類も含めた動物を飼育しております。動物の飼育は子供たちに命の大切さや生き物についての理解、動物愛護の気持ち、ひいては他人への思いやりや共感など情操の涵養に多くの効果を上げてまいりました。しかし、実際の学校現場では先生方が動物飼育に対する認識が不足したまま飼育の担当となり、動物虐待ともとれるような飼育環境に置かれていた事例があり、問題化したことは記憶に新しいことと思います。

 新動物愛護法が平成十二年に施行され、動物愛護の理念が盛り込まれました。学校においても管理者、すなわち学校長は動物の飼養及び保管が獣医師等の指導のもとに行われるように努め、適切な飼育、保管及び事故の防止に努めることが基準として定められており、平成十八年には学校等における教育活動が追加明記されております。

 このようなことから、学校獣医師の存在が重要であり、群馬県の取り組みは全国的にも大きな評価を受けており、私も過去に調査に行きました。本県では、平成十六年度から県の生活衛生課、徳島県教育委員会、社団法人徳島県獣医師会の三者での取り組みとして学校飼育動物ネットワーク事業を立ち上げ、小学校四校、幼稚園一園の指定校でスタートし、その後、関係者の御尽力もあり、今年度は小学校十三校、幼稚園六園とふえてきております。

 しかし、さらなる取り組みが必要だと考えます。小学校指導要領生活編では、動物の飼育に当たっては管理や繁殖、施設や環境などについて配慮する必要がある、その際、専門的な知識を持った専門家や獣医師などの多くの支援者と連携してよりよい体験などを与える環境を整える必要があるとしています。また、先日の全国指導主事会議の生活科部会では、今後の生活科において重点的に取り組むべき検討事項の一つとして動物飼育が示され、動物飼育の意義やリスクについて余りにも我々が知らないことが問題であるという講評があったと聞いております。

 そこで、お伺いします。

 以上のようなことを踏まえ、県教育委員会は市町村教育委員会などと緊密な連携をとり、学校獣医師制度についてさらに積極的に取り組むべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。

 次は、優しい共生のまちづくりという観点からお伺いいたします。

 社団法人日本オストミー協会は、オストメイト、人工肛門、人工膀胱保有者が安心して暮らせる社会を目指している障害者団体です。本県にも協会の徳島県支部があり、縁があって私は支部の顧問をさせていただいております。大腸や膀胱などの内部疾患により、人工膀胱、人工肛門をやむなくつくり社会生活を営んでいる方々、すなわちオストメイトと言われる方々が全国に約二十万人、障害者手帳の交付を受けている人が約十七万人おいでます。外見ではわかりませんが、腹部にパウチと呼ばれる袋を張りつけ、絶えず流れ出る便、尿などを受けとめています。

 徳島県でも、平成二十二年で千三百八十人の障害者手帳所持者がおいでます。過去にも私は本会議で障害を持った方々に優しいまちづくりを推進すべきとの立場から、オストメイト用トイレの設置を求めました。県庁内も含め、道の駅や公共施設など設置が進んできたことはうれしく思います。

 また、車を運転中にパウチが満タンになって肌に張りつけている部分がはがれて漏れ出した場合、緊急に車をとめて近くのトイレを探し処置をする必要があります。このような場合における取り締まりの運用についても議会の場で質問させていただきました。当局からは、駐車行為の緊急性や他の交通に与える影響、危険性等を総合的に判断して弾力的な対応をするとの答弁をいただいております。

 現在、オストメイトの方々で障害三級以上の認定を受けている方々は徳島県公安委員会の規則により駐車禁止除外の認定を受けており、また規則上は障害の程度にかかわらず歩行困難と認められた場合においては駐禁除外の認定を受けられるものの、その交付の実態は極めて限定されたものとお伺いをしております。全国的な調査の結果、現在、鹿児島県だけが障害四級の方も駐禁除外認定を受けていると聞いております。人として尊厳にかかわるような場合に法的に優しい処置、きちんと守ってあげる仕組みが必要だと思うわけです。

 そこで、県警本部長にお伺いをいたします。

 オストメイトの方々の苦悩にかんがみ、駐車禁止の除外に関する規定について、県民の意見も踏まえ、鹿児島県と同様、緩和を図るべきだと考えますが、御見解をお伺いします。

 また、障害の等級にかかわらず、規則上は、移動が困難なことにより社会での日常生活が著しく制限されると公安委員会が認める者は駐車禁止除外の認定が受けられることになっていますが、具体的な審査基準についてあわせてお伺いをいたします。

 答弁をいただき、再度登壇をさせていただきます。

  

   (飯泉知事登壇)

○知事(飯泉嘉門君) 中小企業者への金融支援について二点御質問をいただいております。

 まず、緊急保証制度及び中小企業金融円滑化法の効果について御質問いただいております。

 国による緊急保証制度の対象業種の拡充や保証限度額の引き上げに加え、本県独自の施策といたしまして保証料率の引き下げ、セーフティネット資金の融資枠の拡大、融資限度額の引き上げや融資期間の延長などを行うことで中小企業者の皆様の利便性の向上を図るとともに、市町村、信用保証協会、金融機関とのしっかりとした協力体制をとることにより、全国でもトップクラスの融資実績を残すなど、中小企業者の皆様方に対しての支援を行ってまいりました。

 このため、平成二十一年の倒産件数は県内で六十件と全国でも最少、ここ十年間の比較においても最低の水準となり、さらに平成二十一年十二月からは中小企業金融円滑化法の効果とあわせ、本年一月から十月までの倒産件数については四十六件と昨年をさらに下回るペースで推移をしているところであります。

 この二つの中小企業への金融支援制度は非常に効果のある施策であり、百年に一度の経済危機の中にあって、本県独自の施策と連携をし、地域経済の危機的状況の回避や雇用の維持、確保に結びついたものと考えております。

 その一方で、両制度は今年度末をもって適用期限切れを迎えるため、現在、急激な円高が県内に与える影響を勘案いたしまして、政府に対し、地方の実情、中小企業の切実な声としてセーフティネット保証での全業種の指定、中小企業金融円滑化法の期間延長を本年度、私自身機会あるごとに国に対して提言を行っているところであります。

 次に、中小企業への資金繰り対策についてでありますが、今年度におきましてもギリシャ危機や急激な円高に対応をすべく、適宜中小企業向け融資制度の拡充を行ってきたところであります。特に中小企業の資金繰りが心配をされます年末の資金繰り対策につきましては、十一月一日から県内の商工会議所または商工会の推薦を受けた中小企業者に対し、小口資金を初めとした三資金について融資利率の割引を実施いたしております。これに加え、中小企業者の生の声をお聞きするため、これまでにも実施をしております緊急出前相談のほか、県庁において十二月十一日から三十日までの毎日、中小企業者の皆様に対する年末資金繰り相談窓口を開設いたすことといたしております。

 今後とも中小企業を支援する立場の信用保証協会や金融機関、各経済団体とともに中小企業を最大限支援をするという共通認識を持ち、十分な連携を図りながら資金繰り対策をしっかりと行ってまいる所存であります。

 次に、今回の宮崎県の口蹄疫発生を教訓として、県では、今後、家畜伝染病防疫対策についてどのように充実強化をさせていくのか、御質問をいただいております。

 議員におかれましては、徳島県緊急家畜防疫支援獣医師団、いわゆる「Vサポート徳島」の団員として宮崎県での防疫活動に携わっていただいたことに対しまして、まずもって敬意を表する次第であります。

 本年四月、宮崎県において発生をした口蹄疫は、我が国が経験をしたことのない甚大な被害をもたらし、その教訓として初動防疫の重要性が改めてクローズアップされたところであります。こうしたことから、徳島県口蹄疫防疫マニュアルを大幅に見直し、家畜の異常を発見してから二時間以内の診断、伝染病確定後、二十四時間以内の殺処分など、初動防疫対応を追加いたしたところであります。

 これを受け、本県家畜防疫の最前線であります県内四カ所の家畜保健衛生所を拠点といたしまして、市町村や畜産関係団体との連携体制を強化いたしますとともに、防疫演習を通じまして的確な初動防疫活動が行えるよう人材の育成に努めているところであります。

 また、迅速な防疫措置を実施するための消毒薬や防護服などの資材を備蓄することはもとより、建設業協会、医療機器協会並びに動物薬品器材協会と家畜伝染病発生時における支援活動業務に関する協定を締結し、協力体制を構築してまいったところであります。さらには、四国四県並びに近畿ブロック各府県との間で人的・物的支援のため、家畜防疫員や防疫資材を融通し合う広域連携体制を本県の提案により構築するなど、地域における防疫活動の充実強化を図ってきているところであります。

 一方、宮崎県の口蹄疫が残したもう一つの教訓は、防疫活動の第一線で重要な役割を担う獣医師を確保することであります。このため、獣医学生を対象とした修学資金制度の充実を図るとともに、国にしっかりとこれを提言を行いますとともに、獣医学生のインターンシップを積極的に受け入れ、確保に努めているところであります。

 今後とも、家畜伝染病を県内に発生をさせない、持ち込ませないとの強い決意のもと、関係機関との情報共有、連携強化を図りますとともに、家畜伝染病対策の防疫拠点となる家畜保健衛生所の活動をさらに充実をさせ、畜産物並びに畜産農家をしっかりと守り、安全・安心とくしまを実現してまいる所存であります。

  

   (福家教育長登壇)

○教育長(福家清司君) 市町村教育委員会などと緊密な連携をとり、学校獣医師制度についてさらに積極的に取り組むべきとの御質問でございますが、子供を取り巻く自然環境や社会環境の変化により、日常生活の中で自然や命と触れ合い、かかわり合う機会が少なくなってきております。そのような中で、学校での動物飼育は、子供が身近な動物に親しみを持ち、命を大切にする心をはぐくむなどの教育的意義があり、新学習指導要領においてもその重要性が明記されているところでございます。

 現在、県内の幼稚園、小学校においてウサギやモルモットなどの哺乳類は約四六%、鶏などの鳥類は約一四%の学校で飼育が行われております。子供たちが直接動物にえさを与えたり世話をするなど継続的に触れ合い、生命のとうとさを実感するためには適切な飼育環境や動物の健康維持に努めることも必要であり、そのため平成十六年度から県獣医師会、県生活衛生課の全面的な御支援により学校飼育動物ネットワーク事業を実施しております。獣医師の皆様の専門的な御指導により、動物の習性や動物との接し方、衛生的な飼育環境について子供たちの理解が深まるとともに、動物飼育を通して相手を思いやる心がはぐくまれるなど、大きな成果を上げているところでございます。

 また、平成十八年度から獣医師を講師として迎え、教職員を対象に動物とのかかわり方や適正な飼育のあり方についての研修会を総合教育センターで実施しております。さらに、本年度は学校飼育動物の適正な飼育管理と動物との触れ合い活動が県内すべての幼稚園、小学校で実施できるよう、県獣医師会の御協力により普及啓発資料を作成、配布し、活用していただく取り組みを進めているところでございます。

 県教育委員会といたしましては、今後とも市町村教育委員会との緊密な連携を図り、県獣医師会の皆様を初め、県生活衛生課の御協力をいただきながら、このような取り組みをさらに積み重ねるとともに、新たな工夫を加えることにより、動物愛護の精神や生命を大切にする心情等、豊かな人間形成の基礎を培い、望ましい教育効果が得られるよう努めてまいりたいと考えております。

  

   (井上警察本部長登壇)

○警察本部長(井上剛志君) まず、オストメイトの方々に対する駐車禁止の除外に関する規定について緩和を図るべきではないかとの御質問についてお答えいたします。

 道路交通法の規定に基づき公安委員会により駐車禁止規制が行われている場所でありましても、電気、ガスの工事等の緊急修復のための使用中の車両や道路維持作業用自動車で当該業務のための使用中のものなどにつきましては、徳島県道路交通法施行細則によって駐車禁止の指定を除外しており、また身体に障害をお持ちの方々などにつきましても、その障害の程度が細則上の基準に該当する場合、申請に基づき公安委員会から駐車禁止除外指定車標章を交付し、当該標章を車両に掲出している場合には駐車禁止規制の対象から除外しているところであります。

 オストメイトの方々、すなわち膀胱または直腸に障害をお持ちの方々につきましては、その障害の程度が一級及び三級の方々を除外標章の交付対象としているところでありますが、それ以外にも病名や障害の等級にかかわらず、身体障害者手帳の交付を受けている方であって移動が困難なことにより社会での日常生活活動が著しく制限されると公安委員会が認める場合においては標章交付の対象としているところであります。

 したがいまして、除外規定の緩和という御提案につきましては、現在の規定の範囲内において対応が可能であると認識をしておりまして、今後とも適切な制度の運用に努めてまいる所存であります。

 次に、障害の等級にかかわらない駐車禁止の除外の認定に関する具体的な審査基準について御質問をいただいております。

 ただいまお答え申し上げましたとおり、現在の規定においては、病名や障害の程度にかかわらず、移動が困難なことにより社会での日常生活活動が著しく制限されると公安委員会が認める者につきましては駐車禁止除外標章を交付しているところであり、現在、二件交付をしているところであります。

 この場合の審査につきましては、御本人の障害の状況を初め、医師の診断書や家族、関係者からの聞き取り調査などをつぶさに行い、真に移動が困難で日常生活が著しく制限されている者かどうかということについて慎重に判断しているところであります。

 今後とも、その審査に当たりましては、画一的なものとならないよう、申請者の方々の状況をきめ細やかに見きわめてまいりたいと考えております。

 障害者の方々に対する駐車禁止の除外に関する規定につきましては、これまでも安全な交通の確保、移動に関する支援という観点から、他県で除外標章の交付を受けた者は本県においても適用されるなどの改正を順次行ってきたところでありますが、今後とも本県の交通情勢や障害者の方々の御意見を踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えております。

  

   (庄野議員登壇)

○二十九番(庄野昌彦君) それぞれ御答弁をいただきました。

 中小企業支援については、知事から力強い答弁をいただきました。中小企業を守っていくということは、本県の生命線でございます。本県の場合、ここを守り育てていくことが雇用面でも大事なことです。セーフティネット保証での全業種指定、中小企業金融円滑化法の期間延長について、知事みずから国に対し提言をいただいております。私どもといたしましても、中小企業支援、そして雇用に結びつけていくために、これからも一生懸命努力していきたいと考えております。

 また、雇用の面からいえば、ハローワークとの協調事業がこれから重要になってまいります。これからいろんなメニューがマッチングとか予定されているようでありますけれども、十分な取り組みがなされて成果が上がるように期待をしておきます。

 家畜伝染病の発生に備えた防疫体制の充実強化についてであります。

 これも知事のほうから力強い御答弁をいただきました。家畜伝染病を本県に持ち込ませない、発生させないという強い気持ちを感じました。獣医師の確保とともに、拠点となる家畜保健衛生所の整備についても御検討をお願いしておきたいと思います。

 また、川南町など宮崎県東部五町は、申し合わせていた畜産再開の日、十一月一日でありますが、この日より家畜の飼育が再開されました。川南町では、人口一万七千人に対し、牛や豚はその十倍の十六万八千頭いましたが、そのすべてが殺処分されました。宮崎県トータルでは二十九万頭の処分がされています。先日の新聞で、川南町に豚が戻ったとの記事が掲載されていました。ゼロからの再出発に際し、秋田県から雌の豚四十頭を導入し、今後、年内に種つけ、来春に子豚が生まれ、その子豚を出荷できるのは来年の秋でございます。経営再開にこぎつけても、出荷まで一年以上かかり、一時的に補償金を得ても、無収入のままえさ代などがかさむ中での経営となります。牛の場合はもっと長い期間となります。大変な状況の中、畜産経営を存続する農家に敬意を表する一人ですが、今後とも国、県、市町村、企業、国民は復興支援について資金面、精神的サポートも含め、みんなで協力していかなければならないと感じております。

 次に、学校獣医師制度について教育長から答弁がございました。制度が導入されて以来、県教育委員会、生活衛生課、獣医師会の三者で前向きに取り組みを進めていただき、感謝をしております。啓発資料も新たに作成中とのことであります。今後、対象となる学校をふやしていくためには、三者の協議が必要ですし、また学校長の理解も得ねばなりません。また、予算も必要になってきます。これからも連携を密にし、さらに取り組みを進め、子供にとって動物愛護の精神や命を大切にする優しい心、豊かな人間形成が進んでいくように求めておきます。

 優しい共生のまちづくりについてでは、オストメイトの方々へのさらなる優しい取り組みに対しまして対応を求めておきたいというふうに思います。また、手術した後のオストメイトの方々、これはパウチの設置を指導する看護師の養成についても今後の強化策を求めておきたいと思います。

 また、これはさきの委員会でも申し上げましたが、災害時における装具の確保対策の意味からも、相互扶助としてオストミー協会支部が存在することについて、医療施設を退院しようとするオストメイトの方に対して可能な範囲で紹介をしていただけましたらありがたいと思いますので、要望しておきます。

 最後に、環境教育について一言述べさせていただきます。

 本年五月に会派の主催で開催したCOPプレイベントとしてのシンポジウムで、講師先生から幼少時の自然体験の頻度を上げ、環境教育をしていくことが重要であるというお話がございました。私は先日名古屋で開催されていましたCOP会場を訪問し、行政やNGOの各ブースを視察しましたが、吉野川は河口干潟も含め、その自然の豊かさは全国区であります。吉野川などの豊富な自然環境を活用し、県としても環境教育にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 また、先月十五日、吉野川河口域は環境省が湿地の保全を目的とするラムサール条約の候補地として選定されました。全国の湿地百七十二カ所のうち、二○一二年五月のラムサール条約COPに向け、さらに候補地を絞り込み、同省は六カ所以上の登録を目指すと言います。県としても、登録への支援も視野に入れ、すばらしさを内外にアピールしていただきたいと考えております。

 また、先日の新聞で、徳島市住吉四丁目の住吉・城東コミセンの芝会長さんが、地域の大事な景観である干潟の情報も発信したいとコミセンのホームページで吉野川河口干潟の自然や生物を紹介しているとの記事を読み、大変すばらしいことだと感心しました。環境教育という視点からも、芝会長さんのような方々やNPOなどの協力を得て自然環境のすばらしさを積極的にアピールしていくことは非常に意味のあることですので、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。

 まとめに入ります。

 本日は、本県産業の活性化策について、特に中小企業対策、第一次産業の活性化策としての第六次産業化に向けた支援、県産材を使った木造個人住宅の建築促進に向けた誘導策などについて議論をさせていただきました。非常に前向きな踏み込んだ答弁もあり、感謝しております。私ども新風・民主クラブの議員一同は、今後とも県民主権、県民第一の視点に立って、雇用確保、生活の安心・安全に向け、これからも全力で頑張る決意を申し上げまして、すべての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)