2009年11月30日 会派「新風・民主クラブ」を代表して

○庄野昌彦 

  新風・民主クラブの庄野昌彦です。会派を代表し、県政の重要課題について知事及び理事者に質問してまいります。簡潔かつ温かい御答弁を求めておきます。

 質問の前に、先日御逝去されました佐藤圭甫議員に心から哀悼の意を表し、御冥福をお祈りいたします。

 それでは、早速質問に入ります。午前中の丸若議員の質問と重なる部分もございますけれども、まず、職員給与の臨時的削減についてお伺いをいたします。

 現在、県は、平成十九年に策定されました財政構造改革基本方針に基づき、県債の発行額を適切に抑制するほか、禁じ手である職員給与の削減にまで踏み込んだ、聖域を設けない大幅な削減、見直しを集中的に実施し、持続可能な財政構造の実現を目指しております。この基本方針の計画期間は、平成二十年度から三年間、つまり来年度、平成二十二年度が最終年度となります。

 十一月十二日に行われた職員組合との交渉の結果、大幅な年収減となる人事委員会勧告については、組合も勧告事項としてこれを受け入れましたが、職員給与の臨時的削減措置については、カット率の軽減が図られなかったとして合意には至らなかった。つまり、事実上の決裂ですが、紳士的に交渉は終了したと聞いています。

 ことし八月のとくしま未来創造プラン検討委員会や九月から開かれている財政構造改革小委員会においても、給与カットは戻してやってほしい、お金が必要な時期の人は大変だ、職員給与カットは士気の低下や人材離れにつながり、早期に戻すべきだ、職員の給与カットは当初の三年間が終われば見直すべきだ、労働の対価である給与で財源調整すべきでないとの意見も出されたと聞いております。

 厳しい県財政を安定化させるためとはいえ、本来は、義務的経費として支払われるべき給与が、全国的にも非常に高い率で削減され、県職員の方々の御苦労は想像して余りあります。住宅ローンの支払い、子供の教育費用など、生活設計が大きく崩れた方も多いと思います。しかし、職員の皆さんも、県職員として県民サービスの確保は自分たちの責務であり、県民が安心してこの徳島で暮らすことができるよう頑張りたいとの強い思いを持たれているからこそ、一定の理解を示し、歯を食いしばって頑張っているのだと思います。

 しかし、限度があります。昨年十二月の代表質問でも、私はこの場で、この削減が職員だけでなく、県内経済に与えるマイナスの影響を大変心配していると徳島地方自治研究所の調査結果を申し上げました。その内容は、直接的には県の支出を削減したが、一・三四倍ものマイナス効果を県内産業に与え、マイナスのスパイラルとなり、県財政をさらに厳しい環境下に置くというものでありました。

 昨年秋以降の世界同時不況の影響もありますが、研究所の指摘は、今の徳島県の法人税収入等から推察しても鋭い指摘だと思います。財政構造改革小委員会などの意見を受け、知事自身も、職員給与を復元する財源の第一歩としてみずからの退職金を引き下げる決断をされたことは評価いたします。

 しかし、仮にずるずるとカットが継続するならば臨時的とは言えません。ずるずると禁じ手が続くということは、トップとして有効な対策がとれなかったということになります。職員、その家族もまた県民であります。県民を裏切るということはトップ失格ということになります。禁じ手というのは、将棋で言うと二歩、相撲では目などの急所を突くということであり、これは反則負けとなります。

 人事委員会においても、本年の勧告、報告の中で、職員給与の臨時的削減措置について、平成二十年地方公務員給与実態調査の結果、ラスパイレス指数が九二・五と全都道府県で最も低くなっており、適正な水準を大きく下回っており、職員給与の削減措置及びその継続は職員の士気や生活にとどまらず、人材確保にも深刻な影響を及ぼすとして、適正な処遇の確保について最大限の配慮を求めています。

 そこで知事にお伺いをいたしますが、財政構造改革基本方針に基づく職員給与の臨時的削減措置が、県の施策推進に対してどのような寄与をしたと認識し、また職員に対してはどのような気持ちでいるのかをお伺いいたします。

 さらに、臨時的給与削減が三年間であると、知事を信用して高い削減率を受け入れ、頑張ってきた職員を落胆させないためにも、また県職員の皆さんが県民のために高いモチベーションを持ちつつ、県行政のさらなる推進に一丸となって取り組めるよう、平成二十三年度給与の復元について配慮をすべきと考えますが、あわせて知事の御所見をお伺いいたします。

 次に、公契約条例に関してお伺いをいたします。

 十一月十二日、全国の自治体で初の公契約条例を制定した千葉県野田市議会を会派新風・民主クラブで訪問をし、説明を受ける機会を得ました。市が発注する工事などの請負業務に従事する労働者の適正な賃金を確保することを目的とした条例です。本県でも参考にすべきとの立場で質問をいたします。

 野田市も、本県にも言えることでありますけれども、地方公共団体の入札については、一般競争入札の拡大や総合評価方式の採用などの改革がされてきましたが、一方で、低入札や品質確保の問題が起こると同時に、労働者や下請業者にしわ寄せがなされ、賃金の低下を招く状況が続いております。

 品質の確保については、平成十七年の品確法の制定により保証されることになりましたが、賃金の問題は解決されず、労働者の賃金については、最賃法はありますが、過度の競争から低入札が行われ、労働者の賃金は低下の一途をたどりました。

 このような中、本来は法律として整備されるべきだが、国の反応は非常に鈍いため、野田市の根本市長は、先導的にこの問題に取り組み、公契約法への突破口となるよう、また全国に波及する第一歩になるよう議会に提案をし、さきの九月議会で全会一致で可決されたものであります。

 条例については、お昼に各会派のほうに条例を持っていっておりますので、議場のほうにもお持ちいただけている方もいると思いますので、ぜひそれを見ていただきたいというふうに思います。少し内容についても説明をさせていただきます。

 この条例は、賃金に限定したものであり、趣旨を前文に書き、そして一条から十五条で構成されています。

 第四条では、公契約の範囲を規定し、一、予定価格が一億円以上の工事または製造の請負の契約、二、予定価格が一千万円以上の工事または製造以外の請負の契約のうち、市長が別に定めるものとしています。一の一億円以上の工事については、来年度三件を予定しているといいます。二の一千万円以上の請負については、施設関係の清掃、運転管理、保守点検の三点のみとし、来年度は十五件ぐらいを予定しているそうです。

 また、第六条では、適用労働者の賃金を規定しています。一の工事または製造の請負の契約では、公共工事設計労務単価の八割以上の賃金を労働者に支払うことを義務づけ、罰則をも規定しています。また、二の工事または製造以外の請負、すなわち施設関係の清掃などの契約では、野田市の技能労務職十八歳初任給相当額と規定し、時給八百二十九円以上支払わないと罰則対象となります。

 参考までに、現在、千葉県の最賃は時給七百二十八円だそうです。

 来年の二月一日に条例施行、四月一日から適用となり、該当する契約の約十八件は、支払い計画書を提出してもらい、中間と終了時に市の管財課職員がチェックをします。本県においても、主要十職種(とび工、鉄筋工、大工、左官など)、平均設計労務単価は平成十年度で二万二千七百六十円であったのが、だんだんと縮小し、平成二十年度では一万四千百五十円となり、六二%まで低下しています。

 実際、労働者からは、仕事が少ない上に賃金が減少し、本当に困っているという声を多く聞きます。こんな状況であるならば、幾ら公共事業を発注しても景気はよくなりません。圧倒的多数である労働者の賃金を上げ、購買意欲を喚起し、内需を拡大しないと景気は回復しません。賃金低下による悪循環に歯どめをかける必要があると思います。そういう意味では、野田市で制定した公契約条例は大きな意味を持ちます。

 そこで質問ですが、本県でも野田市条例を参考にし、特に公共事業において、労働者賃金確保に向けた動きをすべきだろうと考えます。公契約条例の制定に向けた検討をするとか、また幾つかの公共事業を設定し、モデル的に賃金調査を行う事業を設定するとか、県が真剣に汗をかく時期に来ていると思いますが、御所見をお伺いいたします。

 次に、環境問題についてお伺いします。

 十月二十七日、会派研修において、環境省自然環境局から生物多様性条約第十回締約国会議(COP10)に向けた取り組みについて説明を受け、十一月十二日、財団法人日本生態系協会主催の国際フォーラムに私は参加をし、生物多様性の取り組みの事例等を学びました。

 一九九二年、ブラジルでの地球サミットにおいて、生物多様性条約の署名が始まり、現在、日本を含む百九十一の国々とEUがこの条約を締約しています。

 直近のCOP9では、「都市と生物多様性――行動のためのボン宣言」が採択され、都市及び地方自治体の参画促進に関する決議がなされました。この中では、まちづくりなどの土地利用において、生物の多様性に配慮することの重要性が示されています。健全な自然生態系があって初めて、健全な社会ができるということであります。

 私たちの生活は、生態系サービスによるさまざまな恩恵によって支えられております。多くの野生生物、太陽光、大気、水、土の五要素から成り立つ自然の生態系が健全な状態でなければ、このサービスを受け続けることはできません。

 来年十月、名古屋市で開かれるCOP10は、日本にとっても、地域にとっても大変重要なものとなります。日本は、二○○七年、第三次生物多様性国家戦略を策定、翌二○○八年には、生物多様性基本法を制定しました。法の基本原則は、生物多様性の保全と持続可能な利用をバランスよく推進するよう求めています。

 本県の場合でも、生物多様性を守る必要性を十分認識し、行動されていることは理解をしておりますが、レッドデータブック等を見ると、絶滅の危機に瀕している野生生物は少なくありません。将来世代においても、自然の恵みを享受できる持続可能な社会を築かねばなりません。生物多様性基本法では、地域版戦略を努力義務として規定しています。既に滋賀県など五県は、規定していると聞いています。

 本県の場合、ビオトープ・プランが平成十四年三月に策定されていますが、生物多様性は気候変動に対して特に脆弱であり、気温上昇により生物の絶滅リスクが高まることも、考えに入れ、地球温暖化対策への貢献も加味し、かつ環境首都とくしまの名に恥じないよう、徳島県版生物多様性地域戦略を策定する必要があると思いますが、御所見をお伺いいたします。

 また、COP10による環境への認識が高まることを好機ととらえ、本県でも取り組みが必要と思います。先日の国際フォーラムにて、千葉県野田市、根本市長の講演を聞く機会に恵まれました。市長さんは、野田市にコウノトリを呼び込もうという取り組みを進めており、利根運河エコパーク構想をまとめ、湿地再生、水生生物の生息環境の再生に取りかかっています。

 具体的には、休耕農地への住宅地開発を回避して、市が設立した農業生産法人が買い取り、周辺の斜面林も樹林地の保全条例を策定し、自然と共生するゾーンとして設定し、動植物の生息空間をふやしております。また、農薬や化学肥料をできるだけ使わないお米の生産に取り組み、農薬にかわり、玄米黒酢を散布し、もみ殻と牛ふんを使った堆肥づくりを推進しております。

 その結果、ドジョウやカエル、小魚、ナマズなどが今では多く見られ、子供たちの環境学習にも大いに役立ち、市民の関心は大きくなっております。そして、これらの取り組みにより、多くの生物が生きていける生物多様性が維持され、いつの日か自然保護のシンボルであるコウノトリが来ても住みつけるような場所にしたいと申しておりました。すばらしい考え方だと、私は感銘を受けました。

 そんな中、本県でも、有機農業に取り組み、ツルを呼ぼうといった取り組みを進めているNPO法人なども出てまいりました。県としても、生物多様性を目指し、また安心・安全の見地からも、有機農業への支援、またできるだけ農薬を使わない農業の推進策を講じるべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。

 次に、介護職場で働く労働者の処遇改善についてお伺いいたします。

 高齢化社会が進行しており、介護職場で働く職員さんや訪問介護を行うホームヘルパーさんなどのマンパワーは大変重要であります。しかし、離職率の大変高い職種と言われております。一方、ハローワークでは、常に求人があり、労働力を切実に求めている職種だと思います。しかし、現実は常勤でも年収二百万円台の労働者が多く存在し、非正規雇用、派遣労働も多いと聞いております。これからの高齢社会を支える人材を確保するためには、ある水準以上の賃金、労働条件が必要なことは当たり前のことです。

 そのことから、人材不足の深刻化に対処するため、福祉人材確保指針が見直され、二○○九年度から介護報酬が三%、初めて引き上げられました。さらに、追加経済対策の補正予算において、介護職員処遇改善交付金三千九百七十五億円が計上され、新政権においても継承されました。都道府県が基金を設置し、介護職員(常勤換算)一人当たり月額一・五万円に相当する金額を一定の要件を満たす事業所に交付するというものであり、二○○九年十月から二・五年分が計上されております。

 この交付金は、二○○九年度介護報酬改定の枠組みが介護労働者の処遇改善につながらないという批判に対応するものであり、賃金特定財源であるという意味で評価すべき政策だと思います。しかし、交付金の申請率は、十月三十日現在で、全国的には七二%にとどまり、本県では六七%、六百九十二事業所のうち四百六十三が申請となっております。政府は、交付金の運用を弾力化し、二○○九年十二月までに申請があった場合には、十月にさかのぼって交付することとし、一○○%を目指すとしています。

 しかし、一部では、労働法令遵守問題や就業規則整備、労働保険加入要件などもあることや対象職種、非対象職種との不公平問題など、申請をちゅうちょする事業所もあると聞きます。

 今、介護や福祉の現場で働く人材の報酬をきちんと確保し、継続した雇用を介護・福祉現場で確保していくことは喫緊の課題です。長妻厚生労働大臣は、できれば一○○%の事業所に申請していただきたい、そして平成二十四年度以降についても、介護職員の処遇改善を行っていく考えを示しております。

 福祉労働者が存在しなければ、社会福祉制度は存続することができません。福祉人材問題は、単なる労働問題ではなく、制度の存続にかかわる問題であります。

 そこで、介護職員処遇改善交付金の現時点での申請事業所数はどうなっており、本県の事業所に対して、今後、どのような対応をしていくのか。また、介護労働者の賃金及び労働条件をどのように認識し、今後、どういう行動をとろうとしているのか、あわせてお伺いをいたします。

 答弁をいただきまして、再登壇いたします。

   (飯泉知事登壇)

○知事(飯泉嘉門) 庄野議員の御質問に順次お答えをさせていただきます。

 まず、職員給与の臨時的削減が県の施策推進にどのような寄与をしたと認識し、職員に対し、どのような気持ちでいるのか。また、平成二十三年度における職員給与の復元について配慮をすべきではないか、御質問をいただいております。

 禁じ手である職員給与の臨時的削減につきましては、本県の極めて厳しい財政状況のもと、県民サービスの低下を防ぐとともに、持続可能な財政構造への転換を実現するため、平成十九年十月に策定をいたしました財政構造改革基本方針に基づき、平成二十二年度までの三カ年で総額百五十億円の財源を確保することを目的といたしまして取り組み、このたび職員組合を初め県職員の皆様方の御協力を得て、当初の目標について完遂のめどをつけることができたところであります。

 この措置によりまして、給与水準を示すラスパイレス指数が、議員からも御紹介がございましたが、全都道府県中最下位である状況に加え、本年十月の人事委員会勧告による給与の引き下げ及び過去最大の下げ幅となるボーナスカット、急激な人員のスリム化といった厳しい環境のもとで、新型インフルエンザや緊急経済雇用対策など、県民の生活を守るために日夜頑張っていただいている職員の皆様に対し、深く感謝を申し上げる次第であります。

 この職員給与の臨時的削減により確保されました貴重な財源は、医療や福祉、教育など、まさに県民の皆様に身近なサービスの水準を維持するために活用をさせていただいているところであります。

 一方、三年間の財政構造改革期間終了後は、職員給与の臨時的削減を一たんもとに戻すのが本来あるべき姿と認識をいたしております。

 しかしながら、昨年九月のリーマンショックに端を発した百年に一度の経済危機真っただ中におきまして、先週末のドバイ首長国の信用不安による急激な円高など、平成二十三年度の財政状況は不透明感を増すばかりであります。

 また、さきの月例経済報告におきまして、政府は三年三カ月ぶりにデフレ宣言を行い、今後は、日本経済が物価下落から企業業績悪化へ、そしてこれに伴い賃金引き下げ、景気低迷へと、そしてさらなる物価下落へと続くデフレスパイラルへ陥る危険性が急速に高まっており、労働者の賃金水準の維持、引き上げなど、デフレスパイラルを阻止する取り組みが我が国経済政策の喫緊の課題とされているところであります。

 こうした状況のもと、県民サービスに影響を及ぼすことを回避するためにも、職員給与のカット復元財源の捻出におきましては、人件費であれば人件費の中で工夫をとの方針のもと、まずは、私自身の退職金の支給率を全国最低水準とするため、今議会に提案をさせていただいているところであります。

 さらに、一般行政部門職員三千人体制の着実な実現に向け、とくしま未来創造プランに掲げました平成十九年四月から平成二十三年四月までの四年間で、一般行政部門職員を二百人以上削減をするとした職員削減目標を早急に見直してまいりたいと考えております。

 今後、これら総人件費節減効果をしっかりと検証いたしますとともに、我が国経済状況を初め、地方財政を取り巻くさまざまな要因をしっかりと見きわめた上で、これまでの職員の協力に最大限配慮をし、平成二十三年度の職員給与のあり方を決定してまいりたいと考えておりますので、議員各位を初め県民の皆様方の御理解、御協力を賜りたいと存じます。

 次に、生物多様性の確保について、幾つか御質問をいただいております。

 まず、生物多様性地域戦略の策定についてであります。

 生物の多様性は人類存続の基盤であり、そのもたらす恵沢を将来にわたり享受をできますよう、次の世代に引き継いでいくことは、今を生きる私たちの重要な使命である、このように認識をいたしております。

 そこで、本県では、平成十八年三月、徳島県希少野生生物の保護及び継承に関する条例を制定いたし、アカウミガメを初めとする十種の希少野生生物と保護区一カ所を指定いたしますとともに、本年度からは、最新の絶滅危惧種の状況を把握いたしますため、レッドリストの見直し作業に着手をするなど、希少野生生物の保護や生物多様性の保全に積極的に取り組んでいるところであります。

 こうした中、平成二十年六月には、生物多様性基本法が制定をされ、各都道府県において生物多様性地域戦略を策定することが求められますとともに、来年予定をされておりますCOP10(生物多様性条約第十回締約国会議)の議決を受けた取り組みが必要となってくるものと、このように考えております。

 今後におきましては、こうした国の動向をしっかりと踏まえるとともに、本県における条例制定やレッドリストの改訂など、こうした成果を十分に検証をいたし、地域戦略の策定を検討してまいりたいと考えております。

 次に、有機農業への支援やできるだけ農薬を使わない農業の推進策について御質問をいただいております。

 農業は、自然循環機能を生かし、食料の安定供給はもとより、自然環境や生物多様性の保全といった多面的な機能を有し、本来、最も環境と調和をした産業である、このように認識をいたしております。

 まず、議員からお話のありました有機農業につきましては、本年三月、徳島県有機農業推進計画を策定いたし、本計画に基づき、ハード・ソフト両面から積極的に推進、そして支援をいたすことといたしております。

 具体的には、今年度、県内三地区で農業支援センターの指導のもと、天敵昆虫を活用いたしました低農薬技術の開発、定期的な技術研修会や講習会の開催、有機農業を実践する方々の活動拠点施設の整備、消費者と有機農産品を食べる交流会の開催など、さまざまな取り組みを支援いたしているところであります。

 次に、できるだけ農薬を使わない農業の推進策につきましては、生産者の生産条件や創意工夫に応じまして、必要な機械、施設の整備や新しい技術の開発、普及など、積極的に支援を行い、土づくりを基本として、化学肥料や化学農薬の使用を二割以上抑えたエコファーマーを初め、さらに五割以上抑えた特別栽培農産物の生産者や全く使用しない有機農業者などの育成、そして確保に努めているところであります。

 こうした結果、とりわけ県が認定をいたしますエコファーマーにつきましては、制度発足から十年が経過をし、その認定者数につきましては着実に伸びてまいり、現在、五十二品目、千五百九名の方々を認定し、その普及拡大が図られてきているところであります。

 今後とも、有機農業を初めとする環境に優しい農業の推進により、安全・安心な食料供給はもとより、地球環境への負荷低減や生物多様性の保全などが図られますよう、その取り組みをしっかりと加速してまいりたいと考えております。

   (武市政策監登壇)

○政策監(武市修一) 公契約条例の制定に向けた検討やモデル的に賃金調査を行う事業の設定についての御質問でございますが、建設産業は、地域の経済や雇用を支える基幹作業として重要な役割を果たしてきたところでございますが、近年の建設投資額の大幅な減少とそれに伴う過当競争の激化によりまして、大変厳しい経営環境に置かれております。

 こうした状況の中、極端な低価格での受注、いわゆるダンピング受注は、工事の品質低下のみならず、昨年度まで十年連続で主要十職種の平均設計労務単価の下落を引き起こし、賃金の低下など建設労働者の労働条件の悪化を招いているところでございます。

 このため、入札契約制度改革におきまして、最低制限価格及び低入札価格調査基準価格の引き上げを初め、契約保証金の引き上げなど、さまざまなダンピング防止対策を行ってきたところでございまして、今月にも、本年度に入って三回目となる対策を実施しているところでございます。

 議員御提案の公共事業におけます公契約条例の制定につきましては、賃金等の労働条件は、本来、労働者と使用者が対等の立場において決定すべきものであること、また企業経営を初め建設業の健全な発展や従業員の雇用に及ぼす影響、さらには労務単価の設定のあり方など、解決すべき種々の課題があることから、今後、国及び他県の動向等を踏まえながら、適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。

 また、モデル的な賃金調査を行う事業の設定につきましては、元請業者による下請へのしわ寄せを防止する視点に立ち、昨年度から、建設業者の営業形態を確認する営業所調査におきまして、下請契約の適正化に関する調査をあわせて実施しており、さらに今年度から、低入札価格調査基準価格を下回って落札した低入札工事を対象といたしまして、元請業者に対し、下請代金の支払い状況や作業従事者の賃金などの調査や不適正なものについての指導を始めたところでございます。

 今後、御提案の趣旨を踏まえ、これらの調査をさらに拡充をするなど、積極的な取り組みを図るとともに、引き続きまして入札契約制度の不断の見直しに努めてまいりたいと考えております。

   (乾保健福祉部長登壇)

○保健福祉部長(乾 和雄) 介護職員の処遇改善等についての御質問でございますが、高齢者が幸福に年齢を重ねる幸齢社会を実現するためには、県民の方々の介護ニーズにこたえ、介護職員を安定的に確保していくことが極めて重要でございます。

 しかしながら、議員のお話にございましたように、介護職員の離職率は他の産業と比較しても高く、その要因として低い賃金水準や厳しい労働環境が指摘されていることから、介護職員の処遇の改善は重要な課題であると認識しております。

 介護職員の処遇につきましては、国が定める介護報酬に基づくことから、これまでも国に対して、介護職員の賃金水準の確保や労働環境の整備の推進を初めとする雇用管理の改善に取り組む事業者への支援を提案してきたところでございます。

 その結果、今年度、介護従事者の人材確保、処遇改善を図るため、介護報酬の増額改定が行われるとともに、介護職員の処遇改善に取り組む事業者を支援するため、介護職員処遇改善交付金制度が創設されたところでございます。

 この交付金の現時点での申請状況につきましては、対象六百九十二事業所のうち、四百八十七事業所が申請済みであり、申請率は七一%となっております。

 申請書を提出していない事業所には、再度、交付金制度の周知を行ったところでございまして、今後とも、より多くの事業者が交付金を積極的に活用されるよう、事業者団体と連携し、個別の事業者にも要請をしてまいります。

 県といたしましては、介護が魅力ある雇用の場として将来に向かって成長していけるよう、処遇改善及び関係法令の遵守などを引き続き事業者に要請するとともに、交付金制度を積極的に周知、活用し、賃金を初めとする労働条件のさらなる改善をより一層推進してまいりたいと考えております。

   (庄野議員登壇)

○二十九番(庄野昌彦) それぞれ御答弁をいただきました。

 職員の給与カットにつきましては、これは禁じ手、これは反則であるということをきちんと認識をして、職員の給与削減が県内経済にまで及ぶということを常に念頭に置きながら、二十三年度以降の復元というものを強く求めておきたいと思います。

 また、職員の大幅な削減が続いておりますけれども、超過勤務が増大をしたり、またメンタル面で大変厳しい状況に陥る職員も多いと聞いておりますので、しっかりと職員のサポートも含めてお願いをしておきたいと思います。

 また、千葉県野田市で公契約条例が可決されたことは、労働者の賃金低下の問題点を改めて問いただすことになり、大変大きな一石を投じたことになろうかと考えております。今後、本県でも、前向きないわゆる検討を求めておきたいというふうに思います。

 また、このことは、本来、国が法律として制定すべきということも野田市長は申しておりますので、本県からも、国に対して公契約法の制定を強く求めていただきたいと要望しておきます。

 県議会でも、公契約法の制定を求める意見書を過去に可決したこともございますので、このことについては、国に求めていただきたい。そしてまた、県内でも勉強していただきたいというふうに考えております。

 また、モデル的な賃金調査をする事業について、一定の理解のある答弁をいただいたと思います。適正な労働者の賃金がさらに確保されるように求めておきます。

 次に、生物多様性戦略につきましては、地域戦略の策定については、検討するとの前向きの答弁をいただきました。COP10が名古屋で来年開催されるのを好機ととらえ、今後、ますますの御尽力を求めておきます。

 また、介護職場、労働者処遇改善については、このことは喫緊の課題であります。介護職場は、今、雇用の受け皿として大変大きな期待を持たれている職場でございます。今、賃金面、待遇面での改善に向けまして、全力を傾注していただきますように、このことも強く要望しておきます。

 それでは、質問を続けてまいります。

 次に、関西広域連合についてお伺いします。

 関西広域連合(仮称)調査特別委員会で、視察を実施し、十一月五日には兵庫県、そしてKU、六日には和歌山県を訪問しました。九月県議会では、我が会派の松崎議員から、費用対効果、屋上屋の質問等行いましたが、知事からは、推進する意思のみが示されたような印象が私にはありましたが、和歌山県の仁坂知事は、本年九月十五日、県議からの質問に答え、こう申しております。

 事業内容の具体化、費用対効果、あるいは組織・人員体制、予算、分賦金の配分の検討など、具体的な制度設計を進めまして、議会の皆様と十分に協議してまいりたいと考えております。その上で、議会及び県民の皆様の御理解が得られたなら、必要な議案を上程したいと答弁をしています。なるほど、よく議会、県民への配慮をしているなと私は感じました。

 関西広域連合への参加は、本県の貴重な税金を支出することになります。今の本県の状況は一円たりとも無駄にすることはできません。議会への詳しい資料提供の前から、余り前のめりにならないよう、私のほうから求めておきたいと思います。

 また、関西広域機構(KU)視察時に、KUの担当者に、もう少し詳しい内容についていつごろ示されるのかと質問をいたしますと、ワーキンググループが費用対効果など詳細の項目を詰めている、十二月議会にも第一フェーズ項目について費用対効果を示せるのではないかと回答されました。

 しかし、まだその資料が議会に提示されていないために、十分な検討ができない状況にあります。

 そこで、知事にお伺いしますが、関西広域連合については、議会で十分に検討を行うための資料提供を的確に行う必要があると思いますが、御所見をお伺いします。

 また、各県が分散型事務局を受け持つことが報告されていましたが、設立当初の事務七分野のうち、本県はどの分野を担おうと考えているのか、あわせてお伺いします。

 また、道州制については、十一月十三日、都内で開催された都道府県議会議員研究交流大会において、私も出席いたしましたが、記念講演された地方自治に詳しい講師の大森彌先生は、このように申しておりました。

 市町村合併で地方はとんでもないことになっている。面積は大きくなったが、住民サービスは低下している事例が多い。そんな弊害を紹介しながら、道州制に対して大きな警鐘を鳴らしておりました。私も同感でした。大森先生は、基礎自治体は市町村であり、県が広域部分を担うべきだとも述べておりました。市町村合併の県版みたいなものをつくってしまったら、周辺部の県や市町村は大きく衰退するでしょうし、意見が通らなくなることは目に見えております。

 大阪の橋下知事は、関西広域連合を道州制の一里塚ととらえているようであり、私は大変心配をしています。仮に、第一フェーズに参加したとしても、道州制への移行議論などが出てきたときには、離脱の意向を示し、議会に相談すべきと思いますが、御所見をお伺いします。

 次に、文化の森の振興策についてお伺いをいたします。

 文化の森は、来年十一月三日に開園二十周年を迎え、現在、鳴門市にある鳥居龍蔵記念博物館もここに移転し、リニューアルオープンする予定になっております。年間約六十万人が利用する全国屈指の規模を誇る図書館や本格的な内容を備えた博物館、近代美術館、文書館、文化情報やイベント開催の場を提供する二十一世紀館などが集積した文化のシンボルとして、これまでに延べ一千五百万人もの入館者があったと聞いております。

 しかし、近年の危機的な財政状況から、文化の森予算は大きく減少しております。美術品や資料の購入、図書購入、企画展展示経費などは三分の一レベルまで低下をしております。中でも、特に図書購入費の減少が注目されたところでもございます。

 もちろん、芸術文化予算は、多く配分されるにこしたことはありません。私も、財源の充実が望ましいと考えます。しかし、職員の給与カットまでしてやりくりしている現在の県の財政状況にあっては、ある程度はやむを得ないと思います。ただ、重要なことは、ただ手をこまねいているのではなく、金がないなら知恵を出す、このことが重要になってきます。

 お聞きすると、県立図書館は、これまでの蓄積により、蔵書数が百十万冊を超え、全国屈指であり、人口当たりの個人貸出数も全国一位であり、また配送システムを利用した市町村立図書館への貸し出しについても、全国有数レベルであると聞いております。

 近代美術館の所蔵品は、他の美術館からも多くの貸し出し希望があるやに聞いております。今、物が買えなくても、過去のすばらしい蔵書や貯蔵品をもっとアピールをして、さらに活用すべきときだと思います。これまでどおりの、ある意味敷居の高い展示会だけでなく、時代や環境に応じた地域密着型、県民参加型のイベントを継続的に行えば、新たな文化の森の魅力を掘り起こし、ファンの増加につながると思います。

 そこでお聞きしますが、文化の森全体が開園二十周年を契機に、県民に再認識され、住民参加、地域密着をキーワードにして新たに生まれ変わり、記念事業には英知を結集し、県民が参加するイベントを数多く実施するとともに、文化の森を県民が応援し支えるシステムづくりを推進すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。

 次に、新政権になり、公共事業については大きな見直しがなされようとしています。ダム事業においても、過去に計画されたものが本当に必要なのかどうか、検証が行われようとしております。

 本県においても、柴川ダムが国の補助ダムとして注目されております。そうした中、十月二十六日、三好市山城町、柴川ダム建設予定地を会派メンバー全員で、現在建設途中の工事用道路の建設状況を視察してまいりました。

 ダム本体工事はまだ行われておらず、ダム概要については、柴川地区の集会所で説明を受けました。私たち議員のほか、県の担当者、三好市の担当者、地元の市会議員さん、地元の自治会長さんにも出席をしていただき、意見交換をすることができました。

 柴川ダムは、平成四年度に建設事業に着手し、平成九年度、工事用道路に着手しています。当初、平成二十三年度完成予定でしたが、現在、その進捗は大幅におくれております。ダムの目的は、一、洪水調整を行い、柴川谷川沿線流域の水害を防除する、二、既得用水の補給を行うなど、流水の正常な機能維持と増進を図る、三、旧山城町に対し、ダム地点において、水道用水として新たに一日当たり二百立米を供給するとなっております。

 ダムの堤の高さは四十メートル、総事業費は八十億円であり、今までに事業費として三十五億八千万円、事業費ベース進捗率は四四・七五%となっております。まだ、ダム本体には着手しておりません。地域の方々は、水道水の一日も早い給水を切望しています。

 高齢者のひとり暮らしが多くなってきており、早くしてくれんと集落がなくなってしまうわという声もありました。私も、早く通水することはそのとおりだと思います。しかし、ダム目的の一の洪水調整は、地域の方の話ですと、ここは高い地域にあり、被害を受けたことはないと言っておりましたし、二のかんがい用水の補給については、今、水田などでの耕作がほとんどなく、意味を持たなくなってきているとお聞きをいたしました。

 また、水道用水で見れば、柴川ダム完成による水道水の恩恵を受ける地域(北部簡易水道計画給水区域)には、現在、北部簡易水道の整備が進んでおり、相川、政友、柴川など九地域がありますが、未給水人口は平成十年度末では三百三十三戸、九百二十六人であったのが、川口・大野簡易水道、北部簡易水道の接続がふえたことにより、平成二十年度末では、未給水人口は九十二戸、二百一人となって減少いたしております。

 総事業費は八十億円であり、そのうちダム本体は四十億円、国が二十億円、県が二十億円とされており、県にとっても大変大きな支出となります。早く地域に通水するためにも、計画上の余分なぜい肉をそぎ落とし、人口規模の縮小も勘案の上、水道水確保に特化した規模縮小した貯水池をつくる計画に変更したほうが、経費面でも実現性があると思います。御所見をお伺いいたします。

 次に、県に勤務する獣医師の確保対策と獣医師の処遇改善を行うべきではないかという視点で質問をいたします。

 全国津々浦々で勤務をしている獣医師のネットワークは非常に大きいものがあります。現在、新型インフルエンザの感染拡大が起きておりますが、諸外国では、高病原性鳥インフルエンザの人間への感染も見られており、やがて人から人へと感染に及ぶとなると、今回の新型インフルエンザをはるかに上回る被害が予想されます。

 国を挙げて対策を検討しておりますが、各地域で直接農家と接し、病気の早期発見、診断、ウイルスの封じ込めなどの防疫活動を行う勤務獣医師の力は重要であります。ほかにも、BSE(牛海綿状脳症)や病原性大腸菌O一五七での検査体制や感染症の診断、食の安心・安全など、獣医師の仕事は多岐にわたっております。

 しかし、近年、獣医師の新規採用が非常に困難になってきております。県庁獣医師が欠員となり、人員不足から、全国防疫ネットワークの一角がおろそかになることは許されません。事は一県だけの問題では済まされない、大変重要な国家的課題だと思うのであります。

 なぜ県庁に獣医師が来てくれないのだろうか、考えてみました。一つは、学校教育法の改正により、医師、歯科医師と同様に六年制一貫教育になりましたが、二十五年経過をした今でも、給料表や手当には大きな開きがあり、適切な処遇改善がなされていないこと、二つ目は、四国には獣医学科なる大学がなく、県外へ六年行くとなると非常に経費もかかり、競争率も高いため、獣医学科の在校生が少ない、三つ目は、入学定数の減とともに、ペットブームで小動物への開業志向が増大したことなどが考えられます。

 県庁獣医師の仕事は、家畜伝染病の予防から安心・安全の食肉を提供するための検査業務など、大変重要な仕事です。今、人獣共通感染症が大きな脅威となり、医師との連携が重要になっております。人材確保の面からも、医療職一表の適用と初任給調整手当の拡充など、獣医師の役割に目を向けた給与体系や処遇改善をすべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 答弁をいただき、再び登壇してまいります。

   (飯泉知事登壇)

○知事(飯泉嘉門) 関西広域連合について幾つか御質問をいただいております。

 まず、議会で十分に検討を行うための資料提供を的確に行う必要があるのではないかという点についてであります。

 十一月二十五日、開催をされました政府主催全国知事会議で鳩山総理から、地方に権限を分け与えるという地方分権ではなくて、地域こそ主権がある、地域主権の国づくりに抜本的に変えていきたいんだとの御発言がありました。

 関西広域連合は、自主・自立の関西を実現することを目指すものであり、近畿と四国の結節点である本県のさらなる飛躍にとりまして、極めて重要な取り組みでありますとともに、地域主権の確立にも大きく寄与するものと考えているところであります。

 そこで、この設立に向けて、各府県や経済界などが組織をいたします分権改革推進本部会議及びその下に設置をしております設立準備部会に参加をいたしまして、制度設計やメリット、デメリットの検討などを行っているところであります。

 現在、設立当初の事務分野ごとの効果や費用などをわかりやすい形で取りまとめを行っているところであり、できるだけ早急に、その結果をお示ししたいと考えているところであります。

 今後とも、県議会におきまして十分な御論議をいただきますよう、適宜適切な資料提供に努めてまいりたいと考えております。

 次に、各県が分散型事務局を受け持つことによりまして、設立当初の事務七分野のうち、徳島県はどの分野を受け持とうと考えているのか、御質問をいただいております。

 関西広域連合におきましては、合議による組織運営をいたしますために、広域連合委員会を設置いたし、七つの事務分野ごとについて、各府県の知事がそれぞれ担当委員となることとなっております。

 また、第五回分権改革推進本部会議におきまして、事務局のスリム化の観点から、分散型事務局とする方針が示されたことから、原則として担当委員の府県に事務局を置く方向で制度設計がなされてきているところであります。

 現在、それぞれの事務分野ごとに担当府県を定め、事務の具体的な内容の検討を進めており、本県は広域医療連携分野を担っているところであります。

 こうした状況を踏まえつつ、今後、各分野の担当委員について、この本部会議におきまして十分協議を行ってまいりたいと考えております。

 次に、道州制への移行議論などが出てきたときには、関西広域連合離脱の意思を示し、議会に相談すべき御提言をいただいております。

 まず、関西広域連合は、現在の府県制のもと、地域主権社会の確立を行うため、地方発の実証モデルとして、大きな意義を持つものでもあります。一方、道州制につきましては、全国町村会から強制合併への懸念や道州と住民との距離が一段と遠くなるとの危惧が示されるなど、反対決議がなされておるところでありますが、これは道州制の議論がいまだ十分ではなく、具体像がはっきりしていないことによるものではないかと考えているところであります。

 本県といたしましては、関西広域連合は、道州制とは切り離し、現在の府県の枠組みを残したまま取り組むことのできる地方自治法の広域連合の制度により、広域行政を展開しようとするもので、道州制とは直接的に関係するものではないと、このように考えているところであります。

 もとより、道州制は将来の国と地方のあり方にかかわり、場合によっては憲法改正まで必要となる大きな問題であります。今後、現在、法制化に向け実質的な協議が開始をされました国と地方の協議の場での論議を初め、まさに国民的な議論を深めていくことが重要である、このように考えており、県議会を初め県内各界各層の皆様方にしっかりと御論議をいただくべきものと認識をいたしておりますので、議員各位の御理解、そして御協力を賜りたいと存じます。

   (里見副知事登壇)

○副知事(里見光一郎) 獣医師の確保につきまして、人材確保の面からも、獣医師の役割に目を向けた給与体系や処遇改善をすべきではないかとの御質問にお答えいたします。

 近年、BSEや高病原性鳥インフルエンザなど、動物を介し、人の健康や食の安全を脅かす事案が発生し、地方自治体の獣医師はその蔓延を水際で食いとめるとともに、危険な食肉が食卓に上がることがないよう、安全を確保する最後のとりでとして極めて重要な役割を担っております。

 また、最近は、ペットブームによる小動物志向、食品・製薬業界等での必要性の高まりなどから、民間部門を希望する獣医師の割合が高く、都道府県などの地方自治体における獣医師の確保は、非常に厳しい状況にあるものと認識いたしております。

 このため、本県では、獣医師の確保を図るため、複数回の試験を実施することによる受験機会の拡大、受験可能年齢の二十九歳から三十九歳への段階的な引き上げ、さらには獣医師に対する初任給調整手当などの創設など、さまざまな取り組みを実施しており、現時点におきましては、来年度の必要数を確保できる見込みであります。

 一方、給料表は、職務内容に応じ適用されるものであり、保健所や家畜保健衛生所等に勤務する獣医師に対する給料表の適用につきましては、国の基準によると、医師、歯科医師に適用される医療職一表ではなく、医療技術職員に適用される医療職二表を適用することとされていること、国及び他のすべての都道府県において、医療職一表の適用例がないことなどから、本県におきましても、地方公務員法に定める国、他県及び民間の給与水準との均衡確保を求めた均衡の原則によりまして、医療職二表を適用しているところであります。

 しかしながら、地方自治体における獣医師不足は、本県のみならず全国的な課題であり、その抜本的な対策が必要であると認識いたしております。そのため、本年五月には、関係省庁や人事院に対しまして、地方自治体における獣医師の役割の重要性と、確保が大変厳しい状況にあることを伝え、国において、医師と同等の給料表を制定することとの徳島の提言・要望を行い、さらに本年六月には、四国知事会として同様の内容による緊急要望を関係省庁に対して行ったところであります。

 今後とも、他の都道府県とも連携しながら、獣医師の役割に応じた適切な処遇改善が図られますよう、あらゆる機会をとらえ、関係機関に対し、提言、要望を積極的に行うとともに、獣医師の処遇改善に努めてまいりたいと考えております。

   (武市政策監登壇)

○政策監(武市修一) 柴川生活貯水池についての御質問でございますが、柴川生活貯水池は当時の旧山城町から治水と利水の機能を合わせ持つ小規模ダムの建設要望を受け、治水安全度が低く、渓流水などの不安定な取水に頼る中山間部における地域に密着した局地的な治水・利水対策として、平成四年度に事業着手したものでございます。

 この貯水池の計画地域は、高齢者が多く、自家用の水道設備の管理が困難になりつつあること、渇水時に谷水等がかれ、生活水の確保に苦心していることなどの窮状にあり、一日も早い給水が望まれておりますが、簡易水道に必要な水量を安定的に取水するためには、貯水池を設ける必要がございます。

 一方、柴川谷川につきましては、急峻な地形と脆弱な地質により、二つの地すべり地域に挟まれた土石流危険渓流でもあることから、河川水位の上昇に伴う河岸侵食、土砂災害の防止、土砂流失に伴う洪水はんらんの防止を行う必要がございます。

 現計画は、このような河川の改修や砂防事業と安定した水道水源の確保を一つの施設として実施するものでございまして、おのおの別々に実施するのに比べ、効率的な手法となっていると考えております。

 御提案の水道用水専用の貯水池を建設する場合には、水道事業者である三好市において事業を実施することとなりますが、その際、水道用水に必要な容量だけではなく、堆砂や河川環境の維持のための容量も確保しなければならず、相当な建設費を要することから、単独では実現が難しいのでないかと思われます。

 柴川生活貯水池は、これまでにも三好市長及び三好市議会議長や地元の代表の方々から、より一層の事業推進を求める要望をいただいており、県といたしましても、治水、利水の両面から、中山間地域の暮らしを支えるために必要な事業であると認識いたしているところでございます。

 新政権におきましては、平成二十二年度におけるダム建設事業の進め方に関する基本的な方針について、政府予算案の提出時までに明らかにするとされていることから、今後の動向を注視しつつ、こうした地域の声や地域の実情をしっかりと国に伝えてまいりたいと考えております。

   (福家教育長登壇)

○教育長(福家清司) 文化の森開園二十周年記念事業には、新たな発想で県民が参加するイベントを数多く実施するとともに、文化の森を県民が応援し、支えるシステムづくりについての御質問ですが、文化の森総合公園は、これまで本県文化振興の中核施設として、またシンボルとして、さまざまな事業を実施し、最近の利用者を見てみましても、年間七十六万人から八十五万人ほどの高い水準で推移しており、県民文化の向上、発展に寄与しているところです。

 また、来年十一月三日には、開園二十周年を迎えますとともに、鳥居龍蔵記念博物館(仮称)がリニューアルオープンし、文化の森に新たな魅力が加わることになります。

 議員御提案のように、これからの文化の森のイベントのあり方としては、時代や環境の変化に対応して、従来の展示型にこだわらない柔軟な発想が必要と考えております。

 これまでも一定の成果を上げている図書館の雑誌スポンサー事業やベストセラー寄贈事業などの県立図書館応援事業の充実、文書館の古文書補修ボランティア、美術館ボランティアの「ビボラボ」、博物館友の会などを拡充するほか、新たに今議会で補正予算をお願いしているネットワーク図書館システムの構築事業により、県内のどこからでも速やかに、またお手軽に図書が借りられるようになるなど、文化の森が県民の皆さんに身近な存在となり、県民の皆さんから御支援いただけるようなシステムづくりを工夫してまいりたいと考えております。

 また、二十周年記念事業でも、県民の皆さんから参加者や作品の公募、あるいはボランティアとしての参画を求めるなど、県民の皆さんが気軽に参加できるようなイベントを数多く企画するとともに、各種文化の発表の場を提供していくなど、文化の森をより身近でより魅力あるものにしていきたいと考えております。

 県教育委員会としましては、文化の森開園二十周年を契機として、より一層市町村、学校、各種団体との連携を強化いたしますとともに、文化の森各館の運営に当たりましては、県民の皆さんから応援をいただきながら、創意工夫を凝らしてまいりたいと考えております。

   (庄野議員登壇)

○二十九番(庄野昌彦) それぞれ御答弁をいただきました。

 まず、関西広域連合でございますけれども、参加する意義というものを知事は常々言われておりますけれども、やはり分賦金と言われる経費の負担が本県にも求められるということ、このことが非常にデメリットだというふうに私は考えております。

 それから、このデメリット部分、支出をするけれども、そのことを解消できるだけの費用対効果などはあるのかどうか、このことを、詳細な資料や、また費用対効果の資料が提示されて、県民にわかりやすい議論がなされると、このことが私は前提条件になろうかと思います。詳しい、ワーキンググループで資料をつくられておりますけれども、いち早い資料の提示をお願いしたいというふうに思っております。

 また、今後は、この問題につきましては、特別委員会等でも議論をしてまいりたいというふうに思います。

 また、文化の森総合公園、二十周年の記念事業については、わかりにくかったんですけれども、前向きな答弁がなされたのだろうというふうに思っております。今、非常にお金が、予算がないんですけれども、このことを予算がないから何もできないというふうに考えずに、やはり今までたくさんためた図書であるとか、それから美術品が、文化の森には山積をしております。このことをもう一回掘り起こして、そして職員もモチベーションを高めながら、文化の森が県民にもう一度再認識されて、愛されるような文化の森となるように、これはちょうど二十周年、鳥居博士の記念博物館もこちらのほうに来ますので、ぜひ県民総意で盛り上がるようなイベントなりを形づくっていっていただきたいというふうに要望しておきます。

 また、柴川ダムについてでございますけれども、これは会派で現場を見に行きまして、いろんな意見をお伺いしております。ダムについては、一般的に言って、ダム事業は、当初のニーズが変化をしてもなかなか見直しがなされずに予算がかさんでしまい、必要以上のものをつくってしまうという場面が、私は見受けられるように思います。

 当ダムの計画につきましても、給水の対象となっている方々や三好市とも十分協議をして、変更すべきは変更すべきと要望しておきます。

 獣医師の確保対策と処遇改善については、私は、必要かつ重要な事柄であると考えております。これは、一県でも、そこで人員が不足をし、仮に高病原性鳥インフルエンザが侵入をしてきた場合に、その発見がおくれ、そしてそこで病原体が蔓延をすると、病気が蔓延をするということになると、日本国じゅうに迷惑をかける話となります。きちんとした人員を配置し、きちんと病気から地域を守ると、日本を守るという体制をぜひとも整えていただきたいというふうに思います。

 これからの、やはり退職者の数とか、新採の状況などを見ますと、やはり深刻な人員不足が起きるのではないかというふうに常々私も心配をしておりますので、処遇改善等々も含めまして、これは人事当局、そして勧告事項であります人事委員会のほうも、ぜひ全国状況等々も調査をしていただきたいというふうに思います。また、これについては要望しておきます。

 それでは、結びに当たりまして、今回の私の質問は、県政上重要と思われる課題につきまして、現場を視察したり、直接問題点などをお聞きいたしました。また、国の施策等を直接勉強する中で、本県における課題ややるべきことなどの問題提起をさせていただいたと思っております。

 今後とも、県民の幸せ向上のために全力で頑張ることを表明し、すべての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)